級(レベル)と分野
5つの級(レベル)
「日本語 NAT-TEST」には5つの級(レベル)があります。もっとも簡単なレベルから「5級」「4級」「3級」「2級」「1級」です。それぞれのレベルは、日本語能力試験(日能試)のN5~N1に対応しています。
それぞれの級の試験は、1級・2級は「言語知識(文字・語彙・文法)・読解」「聴解」、3級・4級・5級は「言語知識(文字・語彙)」「言語知識(文法)・読解」「聴解」の分野からなりたっています。
1級 | 日本語を勉強し始めてほぼ1年(学習時間1,000時間程度)を経過した人の相当部分が到達しているであろう学習レベルで、上級の学習者、並びに大学・大学院受験および日本語能力試験 N1をめざす学習者を想定しています。 |
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2級 | 日本語を勉強し始めて9か月以上1年未満(学習時間800時間)の人の相当部分が到達しているであろう学習レベルで、将来、大学、あるいは専門学校に進学することを前提に学んでいて、日本語能力試験 N2をめざす学習者を想定しています。 |
3級 | 日本語を勉強し始めて6か月以上9か月未満(学習時間600時間)の人の相当部分が到達しているであろう学習レベルで、将来、大学あるいは専門学校受験および日本語能力試験 N3をめざす学習者を想定しています。 |
4級 | 日本語を勉強し始めて3か月以上6か月未満(学習時間400時間)の人の相当部分が到達しているであろう学習レベルで、日本語能力試験 N4をめざす学習者を想定しています。
CEFR A2相当です。 |
5級 | 日本語を勉強し始めて1か月以上3か月未満(学習時間200時間程度)の人の相当部分が到達しているであろう学習レベルで、日本語能力試験 N5をめざす学習者を想定しています。 |
※上記の基準はおおむね『日本語能力試験』の出題基準に同じですが、出題基準の詳細については、専門教育出版発行の『1万語語彙分類集』と『語彙別漢字基準表』で公開されています。
CEFRとの比較
日本語NAT-TEST 4級 と CEFR A2 は同じレベルとして対応しています。もっと読む。
試験の内容 ~3つの分野
本テストの構成・内容は、級によって若干変わりますが、おおむね下記の通りです。
言語知識(主に文字・語彙)
1級 | 漢字読み、文脈規定、言い換え類義、用法 |
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2級 | 漢字読み、表記、語形成、文脈規定、言い換え類義、用法 |
3級 | 漢字読み、表記、文脈規定、言い換え類義、用法 |
4級 | 漢字読み、表記、文脈規定、言い換え類義、用法 |
5級 | 漢字読み、表記、文脈規定、言い換え類義 |
言語知識(主に文法・読解)
1級 | 文法…文法形式の判断、文の組み立て、文章の文法 / 読解…内容理解(短文、中文、長文)、統合理解、主張理解、情報検索 |
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2級 | 文法…文法形式の判断、文の組み立て、文章の文法 / 読解…内容理解(短文、中文)、統合理解、主張理解、情報検索 |
3級 | 文法…文法形式の判断、文の組み立て、文章の文法 / 読解…内容理解(短文、中文、長文)、情報検索 |
4級 | 文法…文法形式の判断、文の組み立て、文章の文法 / 読解…内容理解(短文、中文)、情報検索 |
5級 | 文法…文法形式の判断、文の組み立て、文章の文法 / 読解…内容理解(短文、中文)、情報検索 |
聴解
1級 | 課題理解、ポイント理解、概要理解、即時応答、統合理解 |
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2級 | 課題理解、ポイント理解、概要理解、即時応答、統合理解 |
3級 | 課題理解、ポイント理解、概要理解、発話表現、即時応答 |
4級 | 課題理解、ポイント理解、発話表現、即時応答 |
5級 | 課題理解、ポイント理解、発話表現、即時応答 |
試験当日は、この3つの分野のテストを休憩を挟みながら半日で行います。試験当日の流れについてはこちらも参考にしてください。
試験の制限時間と配点
1級
分野 | 試験時間 | 問題数 | 配点(満点) |
---|---|---|---|
言語知識 (文字・語彙・文法)・読解 |
110分 | 71 | 120点 |
聴解 | 60分[注1] | 37 | 60点 |
合計 | 180点 |
2級
分野 | 試験時間 | 問題数 | 配点(満点) |
---|---|---|---|
言語知識 (文字・語彙・文法)・読解 |
105分 | 75 | 120点 |
聴解 | 50分[注1] | 32 | 60点 |
合計 | 180点 |
3級
分野 | 試験時間 | 問題数 | 配点(満点) |
---|---|---|---|
言語知識(文字・語彙) | 30分 | 35 | 60点 |
言語知識(文法)・読解 | 70分 | 39 | 60点 |
聴解 | 40分[注1] | 28 | 60点 |
合計 | 180点 |
4級
分野 | 試験時間 | 問題数 | 配点(満点) |
---|---|---|---|
言語知識(文字・語彙) | 25分 | 28 | 60点 |
言語知識(文法)・読解 | 55分 | 29 | 60点 |
聴解 | 35分[注1] | 28 | 60点 |
合計 | 180点 |
5級
分野 | 試験時間 | 問題数 | 配点(満点) |
---|---|---|---|
言語知識(文字・語彙) | 20分 | 21 | 60点 |
言語知識(文法)・読解 | 40分 | 22 | 60点 |
聴解 | 30分[注1] | 24 | 60点 |
合計 | 180点 |
[注1]級・回によって時間が変わります。
合格の基準
日本語NAT-TESTでは、「総得点が合格点を上回っていること」と「各分野の得点が配点の25%以上であること」(25%条項)の2つの条件を満たしている場合、合格とします(合格点は回によって変わります)。総得点で合格点を超えていても、どれか一つでも25%未満の得点の分野があった場合には不合格となります。
「25%条項」とは
偏りのない日本語能力を評価するために、2007年の日本語NAT-TEST初回試験から導入している基本的な考え方です。現在は、それぞれの分野で25%以上の得点を「合格に必要な最低基準点」としています(2007年~2008年は40%に設定。日本語NAT-TESTの前身の日本語学力テスト(1989年~)から引き継いでいる考え方です)。